考古学を専攻するといえば、一般的に文学部や歴史学科、文化学科になります。
しかし、最近では理系の学部でも考古学を学べる大学もあります。
一言でいうと、科学技術を発掘調査や年代測定、文化財保護に応用させる、という内容ですね。
以下に、理系学部で考古学を学ぶ場合、どんな内容があるのか、具体的に紹介していきましょう。
理系学部で考古学を学ぶことは、最新の科学技術を駆使した新しい発見や研究の可能性を広げます。
興味のある分野や技術と考古学を組み合わせることで、独自の研究を進めることができるでしょう。
材料工学科・分析化学科:それぞれ材料工学や分析化学の視点から、文化財保護のための科学技術を学ぶことができます。
理学部地球惑星科学科:地質学や地球物理学の手法を用いて考古学的遺跡の年代測定や環境変遷を研究することができます。
環境理工学科:環境科学と考古学を融合した研究が行われており、特に考古環境学という分野で古代環境の再現や遺跡の保存に関する研究が盛んです。
未来ロボティクス学科では、ロボティクス技術を活用して遺跡調査を行うプログラムがあります。ドローンやリモートセンシング技術を用いた考古学的調査が特徴です。
ほかにも、海洋考古学のように海底遺跡の調査や保存に関する研究を行う学科などもあるようです。
大学の考古学について、理系で文系とで学ぶ内容や研究対象へのアプローチはどのように違うのでしょうか?
分かりやすいように比較してみました。
アプローチ
学びの内容
アプローチ
学びの内容
まとめてみると、
文系学部(文学部)では、歴史的・文化的背景を重視して人文科学的アプローチ、理系学部では、科学技術を用いた正確なデータ収集と分析を重視した自然科学的アプローチです。
また、フィールドワークが中心で、遺物や遺跡の文化的意義や歴史的背景を解明するのが文学部で、テクノロジーを駆使した年代測定や成分分析、環境科学を駆使した研究・調査が理系学部での学びの内容です。
これらの違いを理解し、自分の興味や将来のキャリアに合った学びを選ぶことが重要です。
考古学に関係する主な職業・就職先をまとめました。
大学を卒業してからの進路にどのようなものがあるのかイメージしてみましょう。
各都道府県や市町村の教育委員会の文化財課や文化財保護課で、文化財の保護や管理、調査を行う。
地方公務員としての就職となります。
公立・私立の博物館や資料館で、学芸員として展示の企画や文化財の管理、調査研究を行う。
大学や研究機関で、研究員や教員として考古学の研究や教育に従事する。
具体的には奈良文化財研究所や東京文化財研究所などの専門機関での研究職。
文化財調査会社や建設コンサルタント会社で、発掘調査や遺跡の調査・分析に従事する。
建設工事の際に必要な事前調査や文化財保護に関わる業務を担当する。
歴史的遺産や文化財を活用した観光業務や、歴史をテーマにした観光ガイドとして活動する。
出版社やテレビ局で、歴史や考古学関連の書籍や番組の制作に関わる。
文化財保護や歴史遺産の保存活動を行うNPOやNGOでの活動。
フリーランスの考古学者として、発掘調査のコンサルタントや専門書の執筆、講演活動を行う。
考古学に関連する職業について、仕事のやりがいや収入、将来性などの詳しいことはこちらに分かりやすく書かれています。
参考にしてください。
考古学を学んだ後、就職する際には以下のような資格やスキルが役立つことが多いです。